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マンガを中心に今まで読んだ本(小説・自己啓発・旅行ガイドブック・辞書など)の素朴な感想をふわっとざっくりイイ感じでまとめちゃおうと思ってるブログ。

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【少女マンガ】 十二支に変身する一族との心温まるお話。「フルーツバスケット」

フルーツバスケット  作者:高屋奈月 (全23巻)

両親を亡くし親戚の家にお世話になるはずだったが、向こうの都合で家に来るのはしばらく待ってくれと言われその間やむなくテント生活することになった主人公・本田透
そんなテント生活をクラスメイトの草摩由希に知られる。
女の子のテント生活は危ないと、一時草摩家で暮らすことに。
親戚のおうちに行くまでの間だけのはずが、居心地のいい草摩家にずっと居たいと思うようになった透。
彼女のそんな気持ちが届き、そのまま草摩家で暮らせるようになったのだが、草摩には誰にも言えない秘密があった。
草摩の家には代々十二支の物の怪が憑いていて、異性に抱きつかれると十二支の姿に変身してしまうという特異体質を持った人たちが居たのだ。
偶然にもそれを知ってしまった透と十二支に憑かれている草摩家の人たちとの交流を描いた漫画。

 
~登場人物~
本田透(ほんだ とおる)…本編主人公。
草摩家の秘密を知ってもその事実を受け止め、皆の力になりたいと思う。自分自身もつらい体験をしてきたのにそれを表に出さずいつも明るく優しく周りを照らす。
こんなできた子他にいねぇ。彼女の半分は優しさで出来ている。
草摩家では家事全般をこなす。
ー草摩由希(そうま ゆき)…子(鼠)の物の怪が憑いている。
容姿端麗、頭脳明晰で学校でもファンクラブがあるほどの人気。しかし本人は中性的な顔がコンプレックス。
小さい頃幽閉されたことがありそこで体験したことがトラウマになっている。親からもほったらかしにされて育ったため母親の愛情を知らない。手先がとても不器用。
ー草摩夾(そうま きょう)…十二支に入れなかった猫の物の怪が憑いている。他の十二支とは違い猫の姿以外に異形の「本来の姿」が存在する。
けんかっ早く、由希とよく喧嘩しては家を壊す。
ぶっきらぼうで思ってもいない事を口走って後悔することもしばしば。しかし根はとても優しく真面目。
ー草摩紫呉(そうま しぐれ)…戌(犬)の物の怪が憑いている。
透の居候先の家主で保護者的存在。
いつもおちゃらけていて本心がわからない。人当たりはいいが時に冷酷な一面も見せる。職業は小説家。
ー草摩慊人(そうま あきと)…草摩家当主。
物の怪の憑いている者達にとって神様のような存在で、慊人の言うことには逆らえない。
時々子供のように泣き叫ぶ。情緒不安定。

十二支の物の怪が憑いていることによって普通の人と同じように暮らしてこれず、親から拒絶されたり愛する人とお別れしないといけないような状況になったりと物の怪の存在が各々の心に暗い影を落としている。
透が草摩家と関わるようになり透の優しさや温かさに触れるうちにそれぞれの凍てついた心が溶かされてゆく。

作中ある人が「貴女が笑うと世界はほんの少しだけ優しいものに思えてくる」と言うのですが、本当にそうだなーと思ったりして。
相手の心に寄り添って、一緒に喜んでくれて悲しんでくれて、いつも人のために一生懸命な透はとても素敵な主人公です。
もう少し我儘になってもいいんじゃないかと我儘な私は思いますが…
物の怪に憑かれている十二支と猫の夾くんも、自分たちもいっぱいいっぱい傷ついてきたのに、他の人への思いやりや優しさを持っている人ばかりでその行動にジーンとします。

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話の内容もさることながら笑いのツボもちゃんと抑えてます。
夾くんや由希くんのツッコミは大変キレがあり素晴らしい。
会話のテンポがいいです。
沢山のキャラクターが出てきますが、それぞれのバックグラウンドもちゃんと描かれているので透との関係性もよくわかります。
何より読んでいて優しい気持ちになるのです。
透の温かい言葉は心をホッとさせてくれる。
強くなくてもいい、そのままで大丈夫。
今のままで十分だよ。って言ってもらえてる気がします。


厚化粧イラスト