【少女マンガ】 純粋な想いと歪んだ愛が交差する「裸足でバラを踏め」
裸足でバラを踏め 作者:上田倫子(全9巻)
舞台は明治25年、横浜。
とても貧しい生活を送っているのに、兄が身寄りのない子供たちを次々引き取ってきてさらに家計は火の車。
そんな中でも子供たちのことを思い、かいがいしく世話をして毎日必死に生きている健気な少女、純(すみ)。
しかし純の努力も虚しく、兄は借金ばかりしている。
その返済が滞ったため、子供たちが借金の形に連れていかれそうになりどうしようもなく身売りを決意した。
そんな純の前に現れた裕福な身なりの青年。
彼は純に金を渡し、金のために愛を捨てられるか問う。
子供たちを守るため彼女がした決断はー…。
~登場人物~
ー北村純(きたむら すみ)…子供たちを食べさせていくため金が必要で蒼一郎の妻になる。貧乏育ちで裕福な生活になじめずよく蒼一郎に怒られているがめげずに前向きに頑張る。望に憧れている。
ー芦田蒼一郎(あしだ そういちろう)…純を金で買った青年。
祖父の会社、芦田物産を継ぐ条件が結婚することだったため純と結婚して社長の座を手に入れた。
短気で怒りっぽい性格。結婚に愛はないと言いながらも明るく前向きな純に惹かれていく。
ー伊集院望(いじゅういん のぞむ)…伊集院財閥の御曹司。
蒼一郎の親友でもある。穏やかで優しい青年だったが純に惹かれていき、彼女を愛するようになると報われぬ想いに次第に壊れてゆく。
ー北村英輔(きたむら えいすけ)…純の兄で借金を作った張本人。金と女にだらしない楽天家。
どうしようもないダメ人間だが、純と子供たちのことは大事に思っているよう。
金と権力のため色々策略をめぐらす人たち。それに恋やら愛やら絡んで来てなかなかヘビーな内容になってます。
純は前向きで素直なイイ子なのですが、素直すぎてこのコ小悪魔かもと思う時も。
それにしても望の純に対する執着がハンパなくてちょっとコワイ。
ふたりで駆け落ちしようと半ば強引に純を連れ出してからあとは、ずーっと目つき、行動ともにヤバいです。
心配した両親に政略結婚させられるも奥さんなんか目もくれず純のことばかり。
もうそれ、愛じゃないよー。ぶるぶる
ドロドロした思惑が渦巻くなか、明るい純と悪態をつきながらも純のことを守る蒼一郎の距離がだんだん近づいていくのが救いですな。
どちらかというと女性向け、濃い恋愛話を読みたい方におススメ。
まるで昼ドラを見ているようです。
ちなみにわたしはそれよりこっちのが好き。
ドロドロ要素皆無になってしまいますが。
根本的に内容が変わってしまいますが。