【少年マンガ】 スリリングな体験もいっぱい!「銀の匙」3巻
夏休みに入り実家に帰りたくない八軒(はちけん)は、クラスメイトのアキの家で農作業のアルバイトをすることになった。
朝から晩まで働いてもなかなか楽にならない農家経営の実態を知ったり、鹿の解体させてもらったりと学校の外でもスリリングな体験をしてる八軒でした。
そこに実の兄が現れて引っかき回して、嵐のように去っていった。
兄は東大生だったけど、大学はやめてしまって今はラーメン作りの旅に出ているという自由人。
話の通じない兄を嫌っている八軒だが、まぁあんな何でもポイポイ自分の好きなようにやってしまわれるとやるせない気持ちになるのも分かるわー。
アキの幼なじみで八軒ともクラスメイトである駒場の妹’sが、もぎたてのトウモロコシを持ってきてくれて、それを茹でたり焼いたりして食べるシーンがあるのですが、醤油塗って焼いてるトウモロコシがもの凄く美味しそうに描かれていました。
匂いがしてきそう!これぞ本当にヨダレが出そう!ってな状況です。
あああぁぁぁ食べたいよぉぉぉ。
食べ物が美味しそうに描かれているのも見所ですね。
ちょくちょく八軒に嫉妬する…
バイト中にミスをして数万円分の牛乳を捨ててしまうことになりへこんでしまった八軒は、最終日に渡されたバイト代を受け取れないと言う。
でもアキの家族は、「失敗することもある。その給料は君の働きがそれだけの価値があると判断したから渡すんだ」と言われて、苦い思いをしながらも稼いだお金を有難く受け取るのでした。
真面目すぎる八軒ですが、だからこそ皆が信用して集まってくる。頼まれごとをヒョイヒョイ引き受けちゃって、自分だけでは手におえなくなっても、みんなが助けてくれる。
それはいつも八軒が一生懸命で真剣だからなんですね。
夏休みも終わり、可愛がっていた豚の「豚丼」が出荷されることになった。名前を付けたときから分かってはいたけど、肉になることにモヤモヤする八軒。
これは家畜で経済動物。ペットじゃないから食べてもいいと割り切れない。
答えが出ないまま豚丼の出荷の日が近づく。
悩んで悩んで、出した結果は肉になった豚丼を丸ごと一頭買い取ることだった。
アキの家でしょっぺ―思いをしながら稼いだバイト代を豚に使うことにしたのだった。
買った豚肉をいったいどう食べて、自分の中で答えを出そうというのか気になりますね。
こればかりは何が正解ってないから、それが良い所でもあり良くない所でもある。
私達はこういう沢山の命の犠牲の上に美味しいものを頂いていることを忘れずに、感謝して食べるのはその通りだと思うけど、それ自体が人の都合の良いように解釈してる気もするし。
現に自分たちが食べる量以上の食料をとって、残ったら廃棄してるのも事実ですしね。感謝どこいったってもんよ。
食べるの大好きな私としては、全く偉そうなこと言えたものではないですが、答えはでなくとも食や命と向き合って考える時間を持ってみることが大切ではないかと思いました。
私の高校生活も生き物と共にありましたが、ここまで豚・牛=肉の構図はハッキリしていなかったような。
2年生になってからは専門が別れて私は園芸、野菜や草花をメインに習っていたので知らないだけかもしれませんが。
そう、当番で牛・豚の世話をしていましたが畜産は専門外。
ここまでディープな世界は知りませんでした。
これ、学生時代に読んでたらまた見方が違ったでしょうね。
高校時代、こんなことありました。
農作業中大雨が降り出したのでみんな雨宿りしていたのです。
でも、A舎からB舎に牛を移動していたクラスメイトだけは牛が立ち止まっちゃったので、ずぶ濡れになりながら必死に牛を動かそうとしていました。
雨が降り出してから一歩も動かなくなった牛。
数人で押して引いてするが動く気配なし。
前進も後戻りも出来ない状態。
まさしくこんな感じ。
自然相手、動物相手何が起こるかわかりませんね。
『銀の匙』他の記事はこちら↓
【少年マンガ】 農業高校ならではの体験がいっぱい!銀の匙(さじ)1巻~2巻
【少年マンガ】 やりきれない思いもけっこういっぱい。銀の匙5巻~7巻